Irrational
不合理な、理性に反する、非合理的な;(数学)無理数の
源流
Irrational: 理性という『比率・計算の物差し』で測ろうとしても、割り切れず形が定まらないもの。
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比率の欠如 + 理性の不在 + 割り切れなさ = 非合理
深層理解
Irrational は、単に「ばかげた」という意味ではありません。核にあるのは ratio(比率・計算・理由) から外れている、という感覚です。人間が世界を理解するときの『筋道』『比例』『説明可能性』に乗らないものを指します。
語源的には、ラテン語の rationalis(理性に関する)に否定の in-/ir- が付いた形に由来します。ここでの rational は、現代の「合理的」だけでなく、もともと ratio = 計算・比・理由 という広い意味を背負っています。したがって irrational は『理由がない』『筋が通らない』『比で表せない』という複数の意味が同じ根から伸びています。
日常では、irrational fear(不合理な恐怖)のように、本人の感情は本物でも、外から見ると 根拠と反応の釣り合いが取れていない 状態を表します。たとえば小さな失敗を人生の終わりのように感じるとき、感情の強度が現実の危険と比例していないので irrational になります。
哲学・心理学では、irrational は人間の弱さを責める語というより、理性だけでは人間を説明できないことを示す語です。愛、恐怖、嫉妬、信仰、衝動はしばしば irrational に見えますが、それらは『無意味』なのではなく、理性とは別の深い力 に従っている場合があります。
数学では irrational number(無理数)として使われます。これは『理性がない数』ではなく、整数の比 ratio で表せない数 のことです。√2 や π のように、分数で割り切れない数です。ここでも中心イメージは『比で閉じ込められないもの』です。
反対語 rational は『筋が通る・理由に基づく・比で表せる』です。unreasonable も近いですが、unreasonable は要求や態度が『常識的に無理』という実用的な響きが強く、irrational はより深く、理性の構造そのものから外れている という響きがあります。